21歳でサロン開設。まつ毛ボールで技術を磨く
美容が好きで、エステティシャンとしてこの業界に入りました。まだ駆け出しの頃、まつ毛エクステンションに出合いました。まつエクの技術は非常に難しい。私は難しいことほど熱中する性格ですので、のめり込んでしまいました。当時まつエクは黎明期で、サロンはごく少数。これは新たな商機と思い、施術を習得。そして21歳の時、マンションの1室で自分のサロンをオープンしました。
以降約20年、まつ毛エクステンションに携わってきました。お客様に施術をしていた頃は、サッカー漫画『キャプテン翼』の“ボールと友達になれ”にならって、まつ毛と友達になるために、革の素材にエクステを付けてまつ毛ボールを作り、日々技術を磨いていました。
まつエクは今、海外で更に需要があると感じています。多くの方が目元を彩っています。しかし、雑な仕上がりが多い。私たちが開発する製品の品質は最高であることを自負しています。最上級を求めるサロン様は世界中にあるので、必ずグローバルを席巻できると確信しています。
危機が生んだ大ヒットと新製品
サロンをオープンした当初、貯金をすべて投資し、海外のまつ毛エクステンションを購入しました。ところが、届いたものはこちらの希望通りの太さではなく、またエクステシートから外したエクステに、シートの粘着剤が残ってしまうものでした。ただ、貯金全額をはたいたので、このエクステを活用するしかありません。
当時エクステの太さは 0.1mm、0.15mm がスタンダード。しかし手元にあるものは0.12mm。これを“繊細な細さが美しい”とサロンで提案したところ、その今まで無かった太さがお客様の潜在需要を掘り起こし、大ヒットしました。またエクステに残ってしまう粘着剤の問題解決は排除する素材の発見につながり、これが現在一般的に用いられているエクステ用プライマーの原点となりました。
当時、まつ毛の汚れを落とすプライマーはありましたが、エクステを綺麗にするという発想はなく、画期的な商品になりました。私は職人気質な性格ですので、モノづくりを始めると夜を徹するほど考え抜きます。その性格が功を奏し、急場を切り抜けることができました。
グローバル展開、女性支援、そして真の“豊かさ”へ
まつエク業界トップシェア、アカデミー運営、オードリー・ヘプバーンやBarbieとのライセンス締結、ネイルやスキンケアへと事業拡大など、順調に成長してまいりました。しかし、まだ目標の20%ほど。目下の目標は、グローバル市場でのシェア獲得です。そして最終的な目標は、本質的に“豊か”になることです。お金ではありません。もちろん売り上げの目標はありますが、実現したいクリエイティブのレベルや、ブランド醸成、海外展開、社員のキャリア形成などを更に向上させたいと思っています。
美容業界は多くの女性が従事しています。女性は真面目で勤勉。弊社では産休や育休、お子さんがいる方の柔軟な働き方に対応し、女性が活躍できる場を整えています。他者に依存するのではなく、自立した人間になって欲しい。女性を優先するわけではありません。男女の差を無くしていきたい。女性はもっと美しくなれますし、社会でも活躍できます。
HISTORICは、そういった多様性と豊かさを社会に提供する企業でありたいと強く思っています。